2010年10月19日

Jz4755(T552とか)

いままで、JZ4725B の話題ばかりだったので、ここで JZ4755 の話題をまとめておこうと思う。

CPU について




0.4mm ピッチ LQFP176 pin パッケージで、内部のブロック図はこんな風になっている。

JZ4725B とこが違うのかというと...

  • SIMD2 :

    SIMD 命令は JZ4725B にもある(60命令)が、命令が追加されているらしい。(SIMD2: 114命令)

  • SDRAM :

    JZ4725B は 16bit 幅だが、16bit/32bit 幅を選択できる。

  • MSC1(SD/MMC インターフェイス):

    JZ4725B は、1bit データ幅 で SD/MMC の性能を使い切れない。JZ4755 は 4bit データ幅。
    ちなみに、SDHC の最高周波数は 50MHz だが 80MHz まで使える (SDHC UHS-I対応?) 。
    MSC0 というのもある。(JZ4725B も同等機能 , 4bit 最大80MHz) ... のだが NAND FLASH と排他で使うもので boot 用。

  • SPI/SSI インターフェイス(最大 50MHz):

    JZ4725B にはない。MSC1 とピンが共用なので実質使えないかも。

  • タッチパネルインターフェイス:

    JZ4725B にはないが、その他の Jz47xx チップはたいがい持っている。

  • UART :

    JZ4725B と同等の 1ch だが、JZ4725B は GPIO に使われてしまうケースが結構ある。JZ4755 は実質使える。

  • サウンド出力 (カップリングコンデンサレス) :

    よくわからないが、BTL 出力ができるらしい。JZ4725B には BTL はない。

  • CS2/CS3 :

    NAND FLASH/SRAM の チップセレクト 要するに NAND FLASH/SRAM を合計 4 つまで付けられる。JZ4725B は 2 つまで。

  • AC97/I2C 出力: JZ4725B にはない。
  • カメラ入力: JZ4725B にはない。
  • TV 出力: JZ4725B にはない。
  • TS インターフェイス: JZ4725B にはない。


Jz4755 のチップは taobao で買える。たとえば ここなら 1 個あたり 25 元 (1元=15.5円として 390円)。パッケージは、0.4mm ピッチとはいえ LQFP176 で 個人の電子工作で扱える範囲には入る。
 あと こことか。

    DINGOO A320 などで使われている JZ4740 は BGA で、電子工作でどうにもできないので、あまり興味がなかったりする。

    JZ4760 には興味があるが、LQFP176 あたりの PMP向けチップが出た上で買えるようにならないと。

さて、このチップは、Dual-Core だが、1 つは VPU で DSP 的に使う。キャッシュのかわりに SRAM が 32KB 。-- どうやって そのもうひとつを使うのか分からないのだが、どうも qi-hardware のメーリングリストに入って ある人にリクエストすれば NDA なしでもらえるらしい。

    qi-hardware が入手しているドキュメントには、

    • XBurst Microprocessor Core, Rev 1.0, Apr 2007, 62 pages
    • Jz4725B Data Sheet, Rel July 7, 2009, 37 pages
    • Jz4725B Programming Manual, Julz 14, 2009, 529 pages
    • Jz4720 Data Sheet, Rev 1, Jun 2008, 37 pages
    • Jz4740 Data Sheet, Jun 2007, 35 pages
    • Jz4740 Programming Manual, July 22, 2009, 539 pages
    • Jz4750 Data Sheet, Apr 2009, 40 pages
    • Jz4750L Data Sheet, July 17, 2009, 37 pages
    • Jz4750L Programming Manual, July 14, 2009, 570 pages
    • Jz4755 Data Sheet, July 7, 2009, 33 pages
    • Jz4755 Programming Manual, Jul 22, 2009, 732 pages

    というのがあるそうだ。この情報は、google のキャッシュに残っていたもの。Jz4750L 単独で Data Sheet やら Programming Manual があるのが興味深いが、それはさておき Programming Manual がないと VPU は扱えなさそう。

    そもそも、Jz4725B の Programming Manual ですら入手できていない。Linux のソースコードがあるので、たいがいの機能は使えるわけだが、VPU は どういう使い方をするのか 分からない.. と思う。

      追記: なんと jz4755_pm が入手できた。VPU が出来ることは、IDCT, Motion Compensation,Motion Estimation,De-Block の 4つだけで レジスタに値を書き込むことで制御する。

    ところで、Jx4755 とかの Xburst core は、MIPS32 4K core あたりとだいたい互換らしいのだが、4K core (5段パイプライン)だと 180nm プロセスで 167MHz ぐらい。Xburst(8段) は同じ 180nm プロセスで 360MHz まで行っている。なにげに結構すごいのかも。

Jz4755 が載った PMP -- Mahdi T552


今は Jz4725B の PMP ばかり集めていて Jz4755 が載った PMP は持っていない。Jz4725B が自由に扱えるまで手を出さないつもりだが、一応調べてみた。

このなかで、Mahdiが結構 Jz4755 の製品を出している

そのなかでも気に入ったのは、T552



こんなやつ。4.0 inch (480x274) 。

気に入ったのは、ここのレビューに分解写真があるのも理由。





  • メモリは、W9812G6GH-6(16MB) x 2 。
  • 例によって FM ラジオのパターンもある。
  • LCD は 0.5mm ピッチ 50pin ? -- RGB インターフェイスか?
  • 裏面に部品がほぼないのは、嬉しかったり。

面白いことに KO Digital HD-300 というのも同じ筐体のようだ。



これは一体なんなのだろう? ProjectXA の文字が見えるところから、ChipRise というところが設計・製造しているのだろう。.. ということは、両方 OEM ?

    KO Digital (可欧) というところも 大きなメーカーっぽい。http://www.kocode.com (FLASH / サウンド付き注意)
    HD-300 はだいぶ古い製品のようで現行は、HD900A とか。ここ見ると 明らかに Jz4755 。画面が例のもの + 720p対応。
    ... どうもよくわからないが、HD系は Jz4755 が多そう。(ただし HD800系は RK かも)


それはさておき、これはどこで買えるのだろう?

ひとつは、ownta.com で、$79.80 -- 84円換算で 6700円。
Free shipping だが、 Registered Airmail $15.74 というのを見ると不安になる。送料を払うなら Express Shipping (3-5 days) - $16.74 が良さそう。

もうひとつは、taobao で、例えば ここここだと 送料込まずで 265元 -- 15.5 円換算で 4100 円。
随分と安いように見えるが、代行業者を通さないと買うのは無理そう。

    例えば taobao 代行業者の グッズエイト を通すと ...
     ( 265元 + 中国国内送料 約20元 + EMS送料 60元 ) x 15.5(元→円)
       + 手数料 500円 = 約 5800円。( これ以外に +振込料金x2回 )。

    代行業者にもいろいろあって、上記は一例。利用したこともないし別にお薦めというわけではない。
    だいたい 元→円のレートは、12円ちょっと。明示されている手数料は 5% だが、レートが 30% 増しに近い。そしてそれは、手数料や送料にもかかる。それでも高くなければ良いのだが、なにか釈然としない。


まぁこんな感じなのだが、 T552 だと Camera インターフェイスもタッチパネルも使っておらず .. 線も引き出せない。(自分でビルドした Linux を動かす前提で VPU が使えないとすると) Jz4725B の PMP と比べて メモリと SD/microSD が速いだけで 機能的にはあまり変わらないことになる。

これではちょっと面白くないのだ。... というわけでパス。

追加: T555




T552 が高いのは、液晶のせいで Jz4755 が高いせいではない。たとえば ここの T555 は、3.0 inch 400x240 , 4GB で A-32 の Jz4755 版という感じだが、170元(本体のみなら 150元)しかしない。... ただ 小さいのはメモリも 16bit かも知れないし、やはり T552 のほうが良さそう。
 あと ここ は、180元。

追記:
パスと書いたが、Jz4755 の Programmers Manual 手に入ったし、買ってしまうことにした。

なにを買うかだが、T552 は、まず欲しい。理由は Jz4755 で 本当にちゃんと H.264 が見れるのかどうかを チェックするため。ちゃんと見れるのならば、画面も大きめだし 実用としても使えそうだ。

ただ、プログラムを動かしたりするのならば、LCD がネック。Smart LCD ではないと思うので制御がたいへん。電子工作で LCD を 外すとかするなら 0.5mm ピッチ 50 pin なのは 嬉しい。フレキとかコネクタの入手性は、54pin の Neo Slim 3000 より良い。

T555 も良いように思えてきた。たぶん Smart LCD で デバッグとかするのに都合が良いし、電子工作で使うにしても LCD を外して線を引き出すのは 楽なはず。ただし、メモリが 32bit でない可能性が高く その点ではイマイチかも知れない。 jz4755 でないということはないはず。720p 対応を謳っているし、TV-out がある。Jz4725B に TV-out の機能を付けると却って高くなりそうだし。

届いたらレポートする予定。

    追記:2010/11/16 なかなか来ない。T555 は、生産中止・希望色 在庫切れだそうで.. 色変更するだけで 2 週間かかってしまった。今製造しているのは T556/T557 らしい。




ところでこれは何だろう? Mahdi が出している M18 Touch という製品らしいのだが、タッチパネルの上に(有線だが)コントローラが付いている。これが、Jz4755 だと面白いのだが ... Jz4755 とは限らない。

Jz4755 が載った E-Book -- EB70




aliexpress.com で 唯一 jz4755 でヒットするのは この 電子ブック EB70

値段は、$89.47 x 1 + $16.96(@EMS) = $106.43 。

液晶は普通の 7inch TFT LCD 800x480 だがタッチスクリーン 。メモリは 32MB , FLASH は不明(8GB まで)。バッテリー容量も不明(3300mAH まで)。 Wi-Fi: 802.11b/g が付いている。他の外部インターフェイスは microSD , イヤホン , スピーカー (マイクも? ) 。leather case が付属。

.. なんというか Android 端末を Jz4755 までダウングレードした感じ。

開発・テスト用ならこういうのも良いかも知れないのだが... 実用として使うならどうなのだろう?
CPU のクラスとしては、RK27xx よりは速いと思うが、RK28xx には負ける。そして、VPU や SIMD を使いこなしてはじめて本来の性能になるから、ファームウェアの出来が重要。
だが、肝心のファームウェアの出来が分からない。

Jz4760


ついでに Jz4760 について書いておこう



前に JZ4760 が出るらしいと書いたが、データシートから転載したらしいブロック図を発見。(url)

日付は、2010-08-20 で随分前の情報だ。ingenic のコードにも随分前から Jz4760 の対応が入っている。出るのは確実なのだろうが、いつになったら出るのだろう? 来年?

それはともかく、ありがたいことに英文の説明も付いている。たぶんこれもデーターシートからの抜粋。


  • XBurst Jz4760 is a mobile application processo targeting for multimedia rich and mobile devices like Smart phone, PMP, mobile digital TV, and GPS. This SOC introduces an innovative dual-core architecture to fulfill both high performance mobile computing and high quality video decoding requirements addressed by mobile multimedia devices.

  • The CPU (Central Processing Unit) core, equipped with 16K instruction cache and 16K data cache operating at 600MHz, and full feature MMU function performs OS related tasks. At the heart of the CPU core is XBurst processor engine. XBurst is an industry leading microprocessor core which delivers superior high performance and best-in-class low power consumption.

  • A hardware floating-point unit which compatible with IEEE754 is also included.

  • The VPU (Video Processing Unit) core is powered with another XBurst processor engine. The SIMD
    instruction set implemented by XBurst engine, in together with the on chip video accelerating engine and post processing unit, delivers doubled video performance comparing with the single core implementation.

  • The memory interface supports a variety of memory types that allow flexible design requirements, including glueless connection to SLC NAND flash memory or 4-bit/8-bit/12-bit/16-bit/24-bit ECC MLC/TLC NAND flash memory for cost sensitive applications.

  • On-chip modules such as audio CODEC, multi-channel SAR-ADC, AC97/I2S controller and camera interface offer designers a rich suite of peripherals for multimedia application.
  • TV encoder unit 10-bits DAC provide composite TV signal output in PAL or NTSC format.
  • The LCD controller support up to 1280x720 output, as well as external HDMI transmitter.
  • WLAN, Bluetooth and expansion options are supported through high-speed SPI and MMC/SD/SDIO host controllers.
    The TS(Transport stream) interface provides enough bandwidth to connect to an external mobile digital TV demodulator.

  • Other peripherals such as USB OTG and USB 1.1 host, UART and SPI as well as general system resources provide enough computing and connectivity capability for many applications.

    ざっとみて、Jz4750 から変わったのは、

    • CPU の周波数 360MHz(400MHz?) → 600MHz
    • FPU (浮動小数点演算ユニット)
    • DDR/DDR2 のサポート (SDRAM は未サポートになった?)
    • USB Device (HI-Speed) の OTG 対応。
    • 2D グラフィックスエンジンの追加。
    • MMC/SD/SDIO の数 2 → 3 等高速シリアル系の強化

    といったところか。機能的には Jz4750 のちょっとした強化版 のように見える。プロセスルールが 180nm → 130nm になるようだ。

    まぁ、最近の Android 向け 高性能 ARM チップには太刀打ちできない。だいたい RK2808 クラス。.. だが MIPS で カーネルソースや情報を公開しているということに意味がある。
    それに(おそらく)値段も安く、あまり高価でないPMPに採用されるはずで、開発して遊ぶには嬉しいポイント。

上にも書いたが これの PMP向け LQFP版 がでると嬉しい。.. だが、これを使いこなすには VPU の使い方がわからないと...

    追記:VPU の使い方は判った。Jz4755 で判らないのは、SIMD(60命令) → SIMD2(114命令) の差分ぐらい。

    2D グラフィックも判った。(Jz4760 データシート入手! ただし pm はない。)

    ― Up to 100M pix/s
    ― Up to 1080P
    ― Line/Rectangle
    ― ROP4/Alpha blending/Filter
    ― Rotation (90/180/270 degree)/Mirror
    ― 1 Rectangle Clip

    だそうだ。ようやく Rotation が出来るようになったわけだが ... キャッシュラインサイズ(32 byte) x 画面縦分の SRAM を持って 変換してから メモリに書き戻すとかしないと メモリ負荷がとんでもないことになりそう。いったいどうやっているのだろう?


追記: VPU の使い方が判ったと書いたが、Linux のソースには、説明がないものの定義が含まれている。VPU が出来ることは、IDCT, Motion Compensation(MC),Motion Estimation(ME),De-Block の 4つだが、MC/ME は定義がある。

よくよく見ると Programmers Manual にすらない OTP (One Time Programmable Module) の定義まである。
OTP には、(どのCPUかが分かる)プロダクトID や (ユニークなIDを作れる)ウェハのIDと位置が入っている。
.. これは嬉しいかも。

追記 20101122: New console in prototype stage
という記事が出てきた。

  • Ingenic 4755 (Dual Core Clocked at 400 MHz but can be overclocked to 550Mhz The second core is a VPU similar to a GPU)
  • 4.0 TFT LCD (Brand: King Display KD43G16-40NC-A3 Resolution: 480x272 Active area: 95.04mm x 53.86mm 262K color, 24bit parallel RGB interface)
  • 64MB SD Ram (Winbond W9825G6EH-6 (2 pieces) 4M words x 4 banks x 16 bits = 32 MB 166MHz/CL3 or 133MHz/CL2)
  • 2GB NAND (Samsung K9GAG08U0E 16 Gb = 2GB MLC, large block 8-bit interface)
  • MicroSD Memory Slot
  • D-Pad and Analog Nub on left
  • Standard A,B,Y,X on the right and L1 R1 Shoulder buttons on top
  • 4MP Video Camera/Camera
  • OS will be Dingux with hopefully a new menu system the fall back will be Gmenu2X



    プロトタイプ基板の画像も出ている。

    外観は、ありきたりな PSP タイプになってしまうようだ。
    (写真は他の人が予想したものだが、基板の形をみれば判る)

    基板だけ見ると Neo Slim 3000 とよく似ている。Hold スイッチがなかったり、カップリングコンデンサの容量が少なかったり デザイナーが同じじゃないかと思えるほど。それに加えて P5-5 のようなマイクロコントーローラも付いている。

    値段は、Estimated price $80 to $85 USD 。ファームウェアの開発にお金をかけていれば 妥当な気がするが... そうでなければ、ちょっと高めのイメージ。

    売れるかどうかは、オリジナルのファームウェア次第か。それが Dingux なら結構期待できるかも知れない。ただ Jz4755 用にカーネルを移植するのは 骨が折れそうなんだが、大丈夫なんだろうか?

    -- 勘違いしていたが、dingoo-digital から出ている情報らしい。本物の次機種?
    なら ファームウェア は期待できそうだ。だが、550Mhz までオーバクロックするのは本当なのだろうか? Jz4740 と同じ 180um なのに?

    -- dingoo-digital も dingoo-tech も関係ないと書いてきた。... ならファームウェアの問題は厳しそう。

    11/24 ウォッチしているんだが、Jz4760 モデルの話も出てきた。今から 9ヶ月後 .. そうかその頃か。



    まさか ... Get-Arcade Pocket Console (RMB320) のことだったりするのだろうか?

    4.3 inch で カメラ付いているし、2GB しかないし。写真さがすと microSD だし TV-OUT あるし。
    A320のチームが作れば Jz4755を選びそうなものだが ... 同じ形状の ものは 無数にある。

    やっぱり違うかも。
posted by すz at 21:04| Comment(0) | TrackBack(0) | Jz47xx
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