1) ファームウェアが最低でもひとつ入手できること。
これがないと、カスタムすることもできないし、元に戻すこともできない。最後までファームウェアが出てこないこともあり得るから、確認してから買うべきだとおもう。
普通は、アップデートとして提供される。だから、出たばかりの製品ではファームウェアが出ていない可能性が高い。アップデートが出るまで待てということでもある。
- http://www.smartdevices.com.cn/support/download/
Android の前に Ubuntu が動作する SmartQ5 を出したところ。その後 SmartQ V5 などがヒット。
いまや値段が高めに感じるが、ファームウエアについては安心できる。 - http://www.eken.com/support/
中華Andoroid が知られるきっかけになった EKEN M001 を出したところ。
VIA WM8505/8650 が中心だが、ファームウエアは割と頻繁に出ている。これを元にした CFW も定番が存在するようだ。
VIA WM8650 は、600MHz でもっさり気味とも言われるが、EKEN M009S などは低価格で、とりあえず使ってみたい人にはお薦めかも。
ちなみに、EKEN M009S の互換機らしきものも存在するようだ。(EKEN とは書いてなくてわずかに安い) - http://www.pandawillforum.com
ショップのサポートフォーラムだが、Gpad G10 (TCC8902) のファームウエアがダウンロードできる。
いまは、Android 2.3 の β3 が最新のようだ。 - http://www.ieronzi.com/technic.asp
- http://www.soiqq.com/down.asp?sid=7
Jz4760/B MIPS アンドロイドを出しているところ。Ronzi A3 は、ファームウエアが存在するが、IQQ M1 == Ronzi A5 の ファームウエアは未だにないようだ。
-- 9/12 IQQ M1/M2 のファームウェアがダウンロードできるようになった。
以上は、私が知っていることを列挙しただけで偏った内容。中華Android 端末は、膨大な種類があるから欲しい機種の情報を事前に探しておくべき。無名のものも多数あり、ファームウエアの入手に難があるものもある。要注意。
2) ファームウェアを確実に更新できること
ハードウェアが物理的に壊れていたら別だが、いわゆる文鎮になる可能性がないものがベスト。
SDカードや USB からブートできる CPU は存在する。そういう CPU を採用していれば、ファームウェアが完全に壊れても元にもどせる。
また、ファームウェアが置かれる NAND Flash と別の SPI Flash から ブートできる CPU もある。SPI Flash のブートローダを書き換えすることがないようなつくりで、SD カードや USB からブートできるようなものなら、CPU に機能があるものと同等と思ってよさそう。
SPI Flash は、8pin の IC で 容量は 512K〜2MB 程度のものが良く使われる。PC の BIOS 用に使われることもあるらしい。
この容量なら、u-boot がはいる。(+ カーネルも入らないことはないが、普通は入れないだろう)。
この条件は、単に使う人より、CFW を作るような人にとって重要な条件。ちょっと失敗したぐらいで、文鎮になってはかなわない。ただ、単に使う人にとっても、CFW の出やすさやそれを入れるときの安心感にかかわってくる。
Andoroid で使われる CPU のうち、自分が興味をもったものしか知らないのだが、
- SDカードや USB からブートできる CPU
Jz4760/Jz4760B (MIPS) (USB からブート)
TCC8902 (USB からブート) - SPI Flash からブートできる CPU
VIA WM8650
(注意) SPI Flash にどんなブートローダが入っているかに確実性は依存する。しかし、それについて情報を持っていないので、リスクがある。
もし、u-boot が入っているなら、ソースコードは入手できる。コードを見ればどういう機能をインプリメントしたか分かるはず。
性能がいまひとつの、安物ばかりで申し訳ないが、いまのところこれしか知らない。
TCC8902 の次の世代の TCC8803 あたりは、USB ブートの機能を持っていると思われるが、確信まではできない。
RK2818 や その次の世代の RK2918 が USB ブートの機能を持っているといいなとは思うのだが、前の RK2808(Moonse E7001) では 文鎮化した話をよく聞いたような気がするので、あまり期待できない。
3) サスペンドでの消費電流が少ないこと
サスペンドして長時間もたないと、持ち歩いて 使うのはなかなか難しい。だが、この条件を満たさない機種の割合が 非常に多いと感じる。
持ち歩かなくとも、すぐに使える状態にできないと 使う頻度が減る。やはり重要な要素だと思える。
サスペンドが使えなくとも数秒で起動するなら問題ないのだが、それはもっと難しいだろう。
こうなってしまうのは、理由があると思う。たぶん 薄利で 販売するし、製品寿命が短いために、開発費をかけられないのだ。そうであれば、残念なことに今後もあまり期待できない。
これを条件としてしまうと、買いたいと思える機種がなくなってしまうかも知れない。次の 4) の条件を満たすのなら、"望ましい" ぐらいにしておく。
4) カーネルのソースコードが入手できること
私は、そういうものしか興味がなく、カーネルのソースコードが入手できないものは買わない。
ただし、GPL 違反だと声高に主張するつもりはない。いまのところ 中国国内向けのものをなんとか入手している感じがあり、へたをすると 単に買えなくなるだけかも知れないという不安がある。それに、著作権の問題であり、第三者が声高に主張するのは筋違いとも思う。
ただ、私は決してカーネルのソースコードが入手できないものは買わない。ソースコードが入手できると、上記のサスペンドの問題が解決できる可能性が出てくる。自分が解決できなくとも、誰かがするかも知れない。そういう意味で 使うだけの人にとってもメリットがある。
ちなみに、本来 GPL 違反に問われるのは、販売者であるはずだ。バイナリを渡した人に責任があるのであって、ビルドした人に責任があるとは書いてない。もちろんビルドした人に最終的に責任が行くが、責任がある期間は有限だ。その期間内にソースコードを入手しておかないと、中古として売ったりすると GPL 違反に問われるリスクを負うことになる。
GPL違反の問題は、厳密に適用すると 一般のユーザにも関わってくるような種類の問題だ。だからあんまりアレコレ言いたくないのだ。
カーネルが入手できる CPU
- Jz4760/B
ftp://ftp.ingenic.cn/3sw/01linux/ にパッチがある。 - tcc89xx/88xx
http://www.telechips.com/ の Technical Support に Open Source SW というリンクがあり、カーネルが置いてある。最新は 2011/08/22 の日付。 - VIA WM8560
http://ftp.gpl-devices.org/pub/vendors/Wondermedia/WM8650/
公式サイトは知らないが、ググったら 見つかった。
GPL的には、Android のそれぞれの機種でカーネルのソースコードが入手できないといけない。その機種に対応するために多少の修正が入るはずでそれがなければビルドできない。だが、ソースコードだけあっても、データシートが入手できないと実際に改良することは難しい。とりあえず、CPU メーカが ソースコードを公開していたら 条件クリアということにしておく。
本来必要なのは、CPU メーカが出しているソースとの差分(patch)と .config 。これだけあれば、リリースされているものと同じものが再構築できるはず。これぐらいならメールに添付できるぐらいの量。
ちなみに、TI や Freescale といった有名所は、さがすまでもなく条件はクリアしているはず。
条件は以上。人によっては、静電式のタッチパネルであることとか、いろいろな条件があると思う。だが、上であげた条件は、それ以前のもので、機能や性能がいくらすぐれていても選択枝には入れない。
追記: 文鎮化を避けられる他の CPU
AML8726-M Cheerchip AMLogic -- Novo8 が採用しているこの CPU は、SD カードからのブートができて、ツールもあるらしい。
詳しくは知らないが、とりあえずメモ。
Novo7 の「Allwinner A10」はどうなのだろう? ちょっと興味がある。